2019年3月31日日曜日

ヒーローメーカー


聖書には多くの神のヒーローが登場します。アブラハム、ヨセフ、モーセ、ヨシュア、士師たち、ダビデ、預言者たち、十二使徒とパウロ、名前を挙げればきりがありませんが、旧約聖書にも新約聖書にも、神の召しに応え、神のご計画の中にあって力強く用いられたヒーローたちがいます。しかし、その一人ひとりの背後には彼らを陰でささえたヒーローメーカーたちがいるのです。教会に求められているのは少数のヒーローではなく大勢のヒーローメーカーです。自分がヒーローになろうとするリーダーではなく、ヒーローを生み出すリーダーです。

天の御国は、しもべたちを呼んで、自分の財産を預け、旅に出て行く人のようです。
彼は、おのおのその能力に応じて、ひとりには五タラント、ひとりには二タラント、もうひとりには一タラントを渡し、それから旅に出かけた。
五タラント預かった者は、すぐに行って、それで商売をして、さらに五タラントもうけた。
同様に、二タラント預かった者も、さらに二タラントもうけた。
ところが、一タラント預かった者は、出て行くと、地を掘って、その主人の金を隠した。
さて、よほどたってから、しもべたちの主人が帰って来て、彼らと清算をした。
すると、五タラント預かった者が来て、もう五タラント差し出して言った。『ご主人さま。私に五タラント預けてくださいましたが、ご覧ください。私はさらに五タラントもうけました。』
その主人は彼に言った。『よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。』
二タラントの者も来て言った。『ご主人さま。私は二タラント預かりましたが、ご覧ください。さらに二タラントもうけました。』
その主人は彼に言った。『よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。』
ところが、一タラント預かっていた者も来て、言った。『ご主人さま。あなたは、蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めるひどい方だとわかっていました。
私はこわくなり、出て行って、あなたの一タラントを地の中に隠しておきました。さあどうぞ、これがあなたの物です。』
ところが、主人は彼に答えて言った。『悪いなまけ者のしもべだ。私が蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めることを知っていたというのか。
だったら、おまえはその私の金を、銀行に預けておくべきだった。そうすれば私は帰って来たときに、利息がついて返してもらえたのだ。
だから、そのタラントを彼から取り上げて、それを十タラント持っている者にやりなさい。』
だれでも持っている者は、与えられて豊かになり、持たない者は、持っているものまでも取り上げられるのです。
(マタイの福音書25章14節~30節)

この主イエスのたとえ話の焦点は、お金を預けられたしもべたちが、儲けたか儲けなかったかよりも、主人のために使ったか使わなかったかの方に置かれていると思います。儲けたのは事業に投資したことの結果です。主人が注目しているのはしもべたちの動機です。私たちは自分にだけ関心を向けているならば預かったお金を土の中に埋めたしもべと同じになってしまいます。リスクを冒して他の人たちに投資する人たちがヒーローメーカーとなることができるのです。

◆ヒーローの陰にはヒーローメーカーがいる。

ヒーローメーカーがいるのは舞台裏です。彼らは名声を求めず、しかし忠実に支援者としての役割を担っています。ヒーローを生み出すヒーローを生み出すヒーローを育てることを求めているのです。

彼らは他の人々に持てるものを投資し、その人たちの可能性が開花することによって、彼らが次の人々に投資できるように助けたいと願っています。この循環によって増殖が引き起こされるのです。

パウロや他の人々を表舞台に送り出したバルナバもそのようなヒーローメーカーでした。バルナバがパウロの身元引受人となって使徒たちのもとに連れていくまでは、パウロの目は完全に開かれていたと言えません。後に、彼はパウロをアンテオケ教会に連れて行き、最終的に教会開拓者として育てます。その結果、福音が前進し世界が変えられたのです。

バルナバは、ヒーローとなることから退き、ヒーローを育てるメンターとなったのです。彼の育てたヒーローたちもやがて彼と同じようにメンターとしての役割を担うようになりました。パウロがテモテのメンターとなったのはその良い例です。

◆究極のヒーローメーカー

主イエスは究極のヒーローメーカーでした。主イエスは、神が私たちのために備えてくださった最善の賜物があがなわれ回復されるようにと、その死を通して私たちにご自身を与えてくださいました。

主イエスは「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。」と言われましたが、ヒーローを育てることについて語っていたのです。主イエスは、その生き方を通して模範を示されました。私たちもまたヒーローメーカーとなるように招かれているのです。

逆説的に聞こえるかもしれませんが、もし、私たち自分自身がヒーローになることを望むなら、この世で何か偉大なことを達成しなければなりません。しかし、私たちがヒーローメーカーになることを望むのなら、持てるものを投資した人々によって偉大なことがなされ、その人たちが投資した次の人々によって偉大なことがなされ、その連鎖が続いていくのです。

「よくやった。良い忠実なしもべだ。」と称賛され、主に抱擁される日を私たちは待ち望んでいます。しかし、その称賛が他の人々に対する私たちの投資と切り離せないものであったならどうでしょうか。

◆ヒーローメーカーの五つの特質

どこから始めたらよいか理解するために、主イエスの生き方に目を向けてみましょう。

デイブ・ファーガソン(Exponential代表、共同創設者)は、究極のヒーローメーカーである主イエスの生き方、またそのミニストリーに少なくとも五つの特質(習慣、実践)を見出すことができると強調しています。これらは現代のヒーローメーカーにも見出すことのできる特質です。

ヒーローメーカーは、次世代を育てる中でこの五つを実践していますが、それだけでなく、彼らがすること全てにおいて、リーダーシップに関するこの価値観を体現し、実践しています。

ヒーローメーカーの特質1:増殖を考えている

自分の能力にではなく、次の世代の可能性に目を向ける。

最初の特質は考え方に関係しています。ヒーローメーカーは「自分の最善の努力によって、ミニストリーを最大限拡大することができる」とは考えません。むしろ、「他の人々のリーダーシップを建て上げることによって、効果的なミニストリーが始まる」と考えます。

ヒーローメーカーの特質2:潜在的リーダーを承認する

自分のリーダーシップに固執せずに、次の世代がリーダーシップを持てるように育て助ける。

二つ目の特質は何に目を向けるかに関係しています。ヒーローメーカーは自分のリーダーシップから目を離し、周囲の人々の潜在的なリーダーシップに目を留めます。

ヒーローメーカーの特質3:弟子を増殖する

次の世代に投資するだけでなく、彼らが新たにその次の世代を育てられるように助ける。

三番目の特質は誰と何を共有するかに関係しています。ヒーローメーカーは、自分が知っていることを教え、他の人々が主イエスに従って生活するのを援助します。しかしそれだけではなく、「弟子を作る次世代のリーダー」を育てるために、自分の人生を分かち合い、持てるものを彼らに投資します。またそのことを通して、彼らが同じ方法で他の人々を新たなリーダーとして育てるようになります。

ヒーローメーカーの特質4:賜物を活性化する

自分の賜物に固執せずに、人々の賜物に目を向けそれが豊かに用いられるように願い助ける。

四番目の特質は何を祝福の対象とするかに関係しています。ヒーローメーカーは自分に与えられた賜物を祝福してくださるようにと神に求めるだけでなく、自分が育て送り出したリーダーたちを祝福してくださるようにと神に求めます。

ヒーローメーカーの特質5:神の国を建て上げる

自分の働きに固執せず、次の世代に関心を向け、彼らを通して神の国が広げられるように助ける。

五番目の特質は何を評価するかに関係しています。ヒーローメーカーは、誰が自分の働きのために来てくれるかではなく、誰が神の働きをしているかの方に関心を向けます。

ヒーローメーカーの採点表があったなら、あなたは自分にどのような点数をつけるでしょうか。